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INTERVIEW

中田食品株式会社

代表取締役社長 中田 吉昭

 日本一の梅産地で「日本の味・心の味」を守り、125年の歴史を刻む梅干しのトップメーカー中田食品株式会社。
 2016年に投資育成会社から出資を受けられた経緯や出資後に感じておられるメリットを中田吉昭社長に伺いました。

変化する時代の流れを肌で感じられる年輪会など
経営者として学びの機会がたくさんあります。

出資を受けられた目的
 「創業120年を迎える当社が将来にわたって安定的に事業を継続する上で、大きな課題の一つが経営承継でした。公認会計士の先生に相談したところ、投資育成会社を紹介していただきました。私自身はその存在を知らなかったのですが、お話を聞く中で法律に基づいた公的な制度機関であること、長期的な経営の安定とスムーズな経営承継の助けになることを理解し、これは当社にとって大きなチャンスだと思い、会長と相談して2016年に出資を受けました」。
対外信用力と経営意識が高まることがメリット
 「将来の経営承継の助けになることはもちろんですが、投資育成会社のような公的で信用の高い機関に株式を持ってもらうことでお墨付きをもらったというか、当社の信用が高まることもメリットだと思います。また、投資育成会社は経営に干渉することなく長期にわたる安定株主として経営を支援していただけるので、工場増設や新規設備の導入などの投資は短期的な損益ではなく、将来必ず役立つという長期的な視点で取り組むことができます。さらに、外部の株主という第三者の視点で決算書をチェックしてもらうことになるので、経営者として恥ずかしくない経営をしていくという意識が高まります。会社が健全に成長していく上で、それは目には見えないメリットになっていると感じています」。
年輪会は時代の変化を知ることができる学びの場
 年輪会は、投資先企業相互の交流と啓発を目的とした投資先企業社長会です。投資先企業の経営者が一堂に会する年輪会総会では、講演・企業紹介・情報交換・ビジネスマッチングの場など、経営トップ同士による活気あるコミュニケーションの場を提供するとともに、企業トップの方々を対象に、経営セミナー、海外視察、工場見学などを実施する「年輪会トップセミナー」を開催しています。
 「年輪会では当社が関係する食品や流通関連の会社だけでなく様々な業界の方々と名刺を交換したり、お話をさせていただける貴重な機会となっています。直接ビジネスに結びつかなくても、多くの方とお話をする中で、業界の中だけではなかなか分からない時代の変化や社会の大きな波を肌で感じることができます。それは長期的な経営の判断をする上でのヒントにもなります。そうした学びの機会が数多くあることは、とてもありがたいと感じています」。
後継者育成をサポートする「新輪会」
 投資育成会社では、後継者教育に特化したセミナーとして、投資先企業の後継者同士が交流して切磋琢磨して学ぶ「新輪会」を開催しています。新輪会は勉強会に交流会を併せることで、同じ立場の者同士が、同じ課題・悩み・覚悟を、腹を割って共有することを目的としたビジネススクールで、毎回盛況となっています。
 「当社でも息子が後継者として経験を積んでいます。新輪会は経営者としての基礎知識や心構えだけでなく、将来の経営者という同じ立場の人が交流を通してどのようなことを考えているかを知ることができるなど、他では経験できない学びがあると思いますので、息子にはぜひ参加してほしいと考えています。また、経営承継は制度や法律が変わっていくことも多いと思いますので、後継者の育成と共に継続的にサポートしてもらえることを期待しています」。
各種のセミナー・研修メニューの活用
 投資育成会社では、各種の無料セミナーや有料の研修メニュー、通信教育講座などを揃えて、投資先企業の“人財”育成をサポートしています。
 「学ぶことは個人的にも、会社にとっても大事なことだと考え、当社では社員が学べる機会を増やすことに積極的に取り組んでいます。投資育成会社では階層別の研修や会計税務、人事など実務に役立つセミナーやビジネススクールが幅広く開催されており、オンラインで学べるものも多いのでぜひ活用していきたいと考えています」。

投資育成会社が株主となって感じたメリット

  • 経営の安定と円滑な経営承継
  • 対外的な信用力の向上
  • 第三者の視点からの経営支援
  • 年輪会での交流
  • 後継者の育成に役立つ新輪会
  • “人財”育成に活用できるセミナーや研修

投資育成会社活用後の流れ

2016年
本社工場第二出荷場、および梅干場を新設竣工
2017年
創業120周年、および「梅ぼし田舎漬」の発売50周年を迎える
2019年
使用後の調味液をリサイクルして発電する「梅調味液バイオガス発電所」が竣工
Profile
中田食品株式会社

 1897年米穀商、中田商店を創業。1916年梅干加工業に進出。1950年事業を再編し梅干し加工業を専業とする。1962年中田食品株式会社として法人成り。1967年「梅ぼし田舎漬」を発売。1973年通信販売を開始。1986年販売部門を分離し株式会社ナカタを設立。1993年本社工場を現在地に新築移転。1996年「紀州の梅酒」の販売を開始。2009年梅酒専用工場を本社敷地内に新築。2012年直売店「紀州梅の里なかた」を本社敷地内に新築竣工。2014年株式会社ナカタの販売部門を吸収分割により承継。

会社概要

所在地
和歌山県田辺市下三栖1475−130
TEL 0739-22-2486
設立
1962年4月
従業員数
280名
資本金
9,000万円
事業内容
梅干し・梅酒・梅加工食品の製造・販売
URL
http://www.nakatafoods.co.jp
1967年に発売され中田食品の看板商品でもある「梅干し田舎漬」。他にも紀州南高梅を中心にした梅干しを多数ラインナップしている。
本社工場敷地内にある直営売店「紀州梅の里なかた」
梅干しの製造ラインは自動化も進むが、皮が薄く果肉のやわらかい南高梅は繊細な手作業の工程も多い。
梅酒のタンク漬け込み作業
仕上げの割り水には紀州熊野の名水を使っている。

※掲載内容は取材当時のものです