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INTERVIEW
松元機工株式会社
代表取締役社長 松元 雄二 氏
1956年の創業以来、数多くの農業用機械の開発・製造を手掛け、乗用型茶摘採機とサトウキビ収穫機で国内トップシェアを有している松元機工株式会社。
将来を見据えて輸出拡大に取り組んでおられる松元雄二社長に、投資育成会社から出資を受けられた目的や投資後に感じられたメリットを伺いました。
長期的な観点で経営の安定につながること、
信頼できる会社であることが決め手となりました。
- 出資を受けられた目的
- 「取引している保険会社の方から投資育成会社の紹介を受け、2017年に出資を受けました。創業者である先代は技術開発で会社を成長させてきて、それ以外には関心がなく、経営承継についてもほとんど対策をしていませんでした。私も紹介を受けるまでは投資育成会社のことはまったく知らず、経営承継については「事業承継税制」を活用するだけでよいだろうと思っていました。そろそろ本気で経営承継対策に取り組もうと相続や会社法にも詳しい保険会社の方に相談にのってもらったところ、当社の経営承継においては投資育成会社から出資を受けることも併せて検討した方が良いとアドバイスを受けました。投資育成会社の担当者と話をするなかで、投資育成会社が信頼できる会社と分かりましたし、何より長期的な観点で経営の安定につながると考え出資を受けることを決断しました」。
- スムーズな経営承継と長期的な経営の安定
- 「出資を受けたことでスムーズに経営承継ができたことが、まず一番のメリットです。また、長期的な経営の安定につながる資本政策となりました。投資育成会社には、株主の立場から課題解決の相談にのってもらうとともに、安定株主として長期にわたって経営を支えてもらえることを期待しています」。
- 鹿児島や九州の投資先企業との交流
- 投資育成会社では、投資先企業の経営トップが一堂に集まる年輪会(社長会)など、経営トップ同士による活気あるコミュニケーションの場を提供するとともに、企業トップの方々を対象に、経営セミナー、海外視察、工場見学などを実施する「年輪会トップセミナー」を開催しています。また、九州支社の担当エリア(山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)の投資先企業経営者が集まる「九州・山口年輪会」も開催しています。
「大阪で開催される年輪会総会には参加できていませんが、九州・山口年輪会は都合が合えば参加しています。また、2018年から年1回、投資育成会社から出資を受けている鹿児島県内企業の経営者が集まる親睦会が開催されています。初めてお会いする方が多かったのですが、鹿児島県を代表する中堅中小企業経営者の方々と気軽に話ができ有意義な時間が過ごせました。情報交換ができる貴重な場であり、今後もぜひ参加したいと思っています」。
- 海外展開や人材採用のサポート
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投資育成会社では、担当者が情報提供や経営に役立つ関係機関の紹介などのフォローを行っています。
「当社のメイン製品である乗用型茶摘採機では、安定的な需要が見込める海外顧客の開拓を進めています。2017年にアフリカの紅茶生産会社へ輸出した茶摘採機が高評価を受け、2019年に大型の受注をいただきました。投資育成会社の出資先にはグローバルに海外展開を進めておられる会社も多いですし、投資育成会社は中小企業の海外進出をサポートする関係機関とも密接に連携しています。担当者からは、そうした情報提供も受けています。また、近年の大きな経営課題でもある人材採用についても株式会社日本人材機構などを紹介してもらっています。加えて、原価計算に課題があることを相談した際には、福岡の金属加工業者さんに連れていっていただき、精緻な原価計算を実施されている現場を直接見学することができ非常に勉強になりました。今後も当社の経営に役立つ情報の提供や関係機関の紹介を期待しています」。 - 各種のセミナー・研修メニューの活用
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投資育成会社では、各種セミナーや研修メニュー、通信教育講座などを揃えて、投資先企業の“人財”育成をサポートしています。セミナーや研修、年輪会トップセミナーなどは、大阪のほか、福岡でも開催しています。
「当社は創業以来、お茶を中心とした農業用機械を次々と開発・製造する技術開発で事業を拡大してきましたが、これからさらに成長していくには時代に対応した組織面の整備も進めていかなければなりません。投資育成会社のセミナーなどを活用して、組織面の強化を図っていきたいと考えています」。
投資育成会社が株主となって感じたメリット
- スムーズな経営承継をサポート
- 長期的な視点での経営の安定
- 投資先企業との交流
- 経営に役立つ情報の提供
- 各種のセミナー、研修メニューの活用
投資育成会社活用後の流れ
- 2017年
- ケニアに乗用型茶摘採機を輸出
- 2019年
- ケニアから乗用型茶摘採機の大型受注を獲得
乗用型ロボット茶摘採機開発
- Profile
- 松元機工株式会社
1956年、松元モータースとして創業し、バッテリー式回転刃型茶摘採機を開発。1964年に機械を持って歩きながら刈る松元式可搬型茶摘採機を、1969年に乗用型茶摘採機を開発。1981年株式会社に改組し、松元機工株式会社を設立。同年海外向けの大型茶摘採機を開発し、輸出を開始。1983年、一条乗用型茶摘採機を開発、発売し、日本全国のお茶の生産地に採用される。同年、現在地に本社工場を移転。1994年にさとうきび収穫機を、2008年に乗用型枝豆収穫機を開発。「中小企業庁長官奨励賞」(1986年)、「知財功労賞『特許庁長官表彰』」(2002年)、「経済産業大臣賞」(2007年)など受賞多数。
会社概要
- 所在地
- 鹿児島県南九州市頴娃町牧之内9325
TEL 0993-36-1161 - 設立
- 1981年5月
- 従業員数
- 96名
- 資本金
- 4,500万円
- 事業内容
- 松元式茶園管理作業機、
松元式さとうきび収穫機などの製造・販売 - URL
- http://matsumotokiko.co.jp
※掲載内容は取材当時のものです