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INTERVIEW

MHT株式会社

代表取締役社長 井手 敏文

 漁船や作業船、商船、艦艇などに搭載される油圧装置で高いシェアを有しているMHT株式会社。
 特に大型の巻き網漁船では、国内90%、海外(台湾・中国・韓国)100%と圧倒的なシェアを誇っています。
投資育成会社から出資を受けられた目的や成長支援メニューなどの活用を井手敏文社長に伺いました。

年輪会の交流で得た経営のヒントを、社内に展開し、推進しています。

出資を受けられた目的
 「取引先の銀行から『投資育成会社から出資を受ければ、会社の信用力が上がります』と提案を受けたことをきっかけに検討を始めました。私が社長に就任した2007 年以降、資金が逼迫するような経営状況になったことはありませんが、バックボーンとして与信枠が広がることは経営の安心感が増します。実際、出資を受けたすぐ後に東日本大震災があり、当社も宮城県の石巻サービスセンター事務所・工場が全壊しました。半年後に同地で再建しましたが、経営では何が起きるか分からないことを改めて思いました」。
説明会を開催して、社員・役員の総意で出資を受ける
 「出資を受けるにあたっては、当社の大株主でもある社員持株会の承認を得ることが必要です。そのために投資育成会社に説明会を開催してもらい、出資を受けることで信用力が向上し経営が安定すること、出資後も経営に干渉することはなくこれまで通り自主的な経営が行えることなどを理解してもらい、社員・役員の総意のもと、2011 年に出資を受けました」。
年輪会は様々な経営のヒントが得られる
 年輪会は、投資先企業相互の交流と啓発を目的とした投資先企業社長会です。投資先企業の経営者が一堂に会する年輪会総会では、講演・企業紹介・情報交換・ビジネスマッチングなど、経営トップ同士による活気あるコミュニケーションの場を提供するとともに、企業トップの方々を対象に、経営セミナー、海外視察、工場見学などを実施する「年輪会トップセミナー」を開催しています。
 「年輪会の交流やトップセミナーでは、様々な経営のヒントが得られます。特に参考になるのは社員のモチベーションアップや社員ファーストのための取り組みです。良いものは会社に持ち帰って社内で協議し、どんどん取り入れています。お陰で以前にも増して活気ある会社になったと感じています。また、私自身も年輪会で知り合った方々との交流を通して、経営者としての研鑽を深めることができています」。
工場見学などで交流する九州・山口年輪会
 九州支社の担当エリア(山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)では、「九州・山口年輪会」を年1 回開催しています。
 「九州・山口年輪会では、幹事となった会社が工場見学や講演会など趣向を凝らした企画で運営されます。工場見学では例えば整理整頓や社員の方々の対応など、細かな部分もじっくり見られるので、とても勉強になります。当社が幹事の際には下関製造工場にある他では見られないような大きな機械や設備を間近でじっくり見ていただこうと計画しています。見られることは社員の励みにもなりますし、幹事になって企画をしたり、準備をすることも、社員のレベルアップにつながると思います」。
各種のセミナー・研修メニューの活用
 投資育成会社では、各種の無料セミナーや有料の研修メニュー、通信教育講座などを揃えて、投資先企業の“人財”育成をサポートしています。
 「幅広いメニューがあり、また時代の課題に合ったテーマのセミナーがあるので、必要に応じて社員が活用しています。今後も人材育成に活用していきたいと思います」。

投資育成会社が株主となって感じたメリット

  • 対外的な信用力の向上
  • 経営の安心感が増す
  • 自主的な経営の尊重
  • 経営のヒントが得られる年輪会
  • “人財”育成に活用できるセミナーや研修

投資育成会社活用後の流れ

2011年
東日本大震災により石巻サービスセンター事務所・工場全壊
同場所において事務所・工場を再建
2012年
中国 青島博捷との合弁会社設立並びに共同出資
2014年
茨城県神栖市に銚子サービスセンターの自社工場並びに事務所完成
台湾 高雄市に現地法人「台灣海洋油壓機械科技股份有限公司」のメンテナンス工場完成
2018年
小型まき網本船向け「デルタワインダー」を開発
Profile
MHT株式会社

 内田産業(株)が1963年に開設した福岡営業所を前身として、1971年に内田油圧舶用機械(株)を設立。油圧機器の販売・修理業として営業を開始。1974年長崎工場を新設。以後、石巻、銚子、焼津と国内の主要な漁港に拠点を開設しアフターサービス網を確立する。1985年 (株)日本工作所に出資し製造業としての運営を開始。1999年内田油圧機器工業(株)との資本関係を解消し、翌2000年社名をマリンハイドロテック(株) へ変更。2001年(株)日本工作所を吸収合併し、名実共に真の総合舶用油圧システムサプライヤーとして始動。2023年社名をMHT(株)へ変更。

会社概要

所在地
福岡市中央区港3-1-53
092-711-1110
設立
1971年12月
従業員数
150名
資本金
6,000万円
事業内容
舶用甲板機械システムの設計・製造サービス、一般船舶用甲板機械、作業船用甲板機械、漁船用漁労機械、オフショア関連機械、自動制御システム、油圧システムのメンテナンス、油圧機器(ポンプ・モーター・シリンダー・制御機器)
URL
https://www.mhtc.co.jp
海外巻き網漁船に搭載される
「パワーブロック&アシストローラー」
巻き網操業に利用される「ダブルパースウインチ」
沖合底曳漁船に搭載される「トロールウインチ」
曳船兼海難救助船に搭載される「トーイングウインチ」

※掲載内容は取材当時のものです